あんこのなかにも「こしあん」と「つぶあん」がありますが、違いって何なのかご存知でしょうか?「こしあん派」か「つぶあん派」など話題になることもありますが、具体的に何が違うのかと言われるとわかりにくいですよね。
この記事では「つぶあん」と「こしあん」の歴史や違いについて詳しくご紹介していきます。
Contents
こしあんとつぶあんの歴史について
そもそも和菓子の代表とも言える「餡子(あんこ)」の由来は何なのか?というと、
「餡子(あんこ)」はもともと餅や饅頭などの食べ物の中につめる具材(詰め物)のことを意味していました。
この「詰め物」というのが本来の「餡子(あんこ)」の由来になります。
「餡子(あんこ)」の一番代表的なものは小豆から作られたもので、小豆は3世紀頃に中国から伝来したといわれています。
小豆の歴史について
小豆は昔から赤い太陽や赤い炎が信仰の対象であることから、赤い色は魔除けの色として邪気を払うと伝えられてきました。
赤い色をした小豆も厄除けや魔除けとされ、また栄養価が高いことから薬として用いられていたのです。
縄文時代には小豆を育てていて、あんことして伝わったのは推古天皇時代といわれています。
伝来当初は日本にまだ砂糖がなかったため、あんこを塩で味付けして食べたり、煮汁を飲んだりしていたとされています。その後はアマヅラというツタなどの植物からとった汁を煮詰めて作り出す甘味料で甘味をつけ食べていたようです。
現在のように砂糖で甘味をつけ食べるようになったのは室町時代からになり、1000年近くは甘くない小豆が主となっていました。砂糖を使ったあんこは高貴な身分に限られて食べられていた食べ物だったそうです。
こしあんとつぶあんの比較表
ではまずはこしあんとつぶあんのカロリーや栄養素など諸々を比較してみましたので見てみましょう。
こしあん | つぶあん | |
カロリー | 約155kcal 主なソース:カロリーSlismより |
約244kcal 主なソース:カロリーSlismより |
栄養素 |
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親しまれている地域 | 富山県、長野県、静岡県より東がこしあん | 石川県、岐阜県、愛知県より西がつぶあん |
食感 | なめらかな舌触りとサラッとした口当たりが特徴。 皮がない分、クリームのような印象となる。 | 小豆の粒感が残っていて、なめらかな食感と時折くる粒感がアクセントとなる。 |
甘さ | 砂糖の量によって異なる | 砂糖の量によって異なる |
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こしあんとつぶあんの製法の違い
まず「こしあん」とは、小豆(あずき)を煮て布巾(ふきん)などで裏ごしして皮を取り除き、砂糖を加えねりあげた餡子(あんこ)のことをいいます。
「小倉あん」や「ねりあん」と呼ばれたりもしており、餡子(あんこ)を食べるときに落ちる心配がつぶあんよりも少ないため、団子やおはぎのような表面にあんこがついている和菓子に使われています。
こしあんとつぶあんのカロリーの違い
まずこしあんとつぶあんのカロリーの違いを比較してみると以下の通りになっていました。
- こしあん:約155kcal
- つぶあん:約244kcal
100gあたりの表記(カロリーSlism)より
カロリー数だけでみるとつぶあんの方が高カロリーで太りやすそうなイメージですね。
ただカロリーSlismさんの表記をよく見るとこしあんは砂糖を含まない、つぶあんは砂糖を含むカロリー数だったので、カロリー数の違いは砂糖の量で決まるようなイメージですね。
使っている小豆が一緒であればこしあんもつぶあんもカロリーはおおよそ一緒かもしれません。
こしあんとつぶあんの味の違い
「こしあん」と「つぶあん」の味の違いがあるのか気になりますよね。同じ小豆からできた餡子でも味が違ってくるのです。
ここでは「こしあん」と「つぶあん」がどう味が違うのかを解説していきます。
こしあんとつぶあんは同じ小豆から作られていますが、より甘さを感じるのは砂糖が多く含まれているつぶあんです。
つぶあんは小豆の粒を噛んで味わうため、舌の中で甘さを感じる味蕾(味覚の受容器)の部分にしっかり届くので、つぶあんのほうが甘さをより感じられます。
こしあんは粒がなく、クリーミーで口溶けがなめらかな食感であまり噛まなくても食べられるため甘さを感じないまま食べることになります。
こしあんに比べるとつぶあんは小豆の粒がしっかり感じれることから、食べごたえがあるので食感も楽しむことができます。
こしあんとつぶあんの地域ごとの違い
「こしあん」と「つぶあん」は地域によっても好みが大きく分かれていきます。
パンなどで「こしあん派」「つぶあん派」など分かれることも多いですが、関西ではつぶあん派の割合が高く、一方関東ではこしあん派の割合が高いといわれています。
そういった理由から「あずきバー」の製造元である「井村屋」では地域によって餡子
を使った商品の種類を変えて販売しているそうです。
こしあん派とつぶあん派の好みの境目は愛知県といわれていて、名古屋で有名な小倉トーストから始まったとされています。
こしあんとつぶあんはどっちが人気?
それでは一体「こしあん」と「つぶあん」どちらが人気なのでしょうか。
2021年にあんぱんに関するアンケートを全国1,000人に行った結果では、「こしあん派」は37%、「つぶあん派」は58%と言う結果でした。
https://imgur.com/2Bp1NIxより引用
調査結果から、年齢が若い方は「こしあん派」、年齢が高まるにつれ「つぶあん派」が多いことがわかりました。
性別ごとでは男性は「つぶあん派」、女性は「こしあん派」と分かれ、食感や食べごたえがあるつぶあんの方が男性は好みで、鉄分が高く貧血予防にもなることから「こしあん」は女性の方が多く食べられていることがわかりました。
ちなみに当店(角田製菓)の酒まんじゅうはこしあんです。
若い方にも楽しんでいただけるしっとりしたこしあんの酒まんじゅうなので、ぜひこの機会に当店のオンラインショップも覗いてみてくださいね。
まとめ
この記事では「こしあん」と「つぶあん」の違いや歴史などについて詳しく説明してきました。
どちらも小豆からできていますが、味や食感、人によって好みは大きく分かれます。
ダイエット中や糖質が気になるけど甘いものが食べたいなんて方は、カロリーが低いこしあんを使ったお菓子がおすすめになります。
状況によっても選ぶことができるので、同じ餡子でもいろんな楽しみ方ができますよ。ぜひこの記事を参考にして餡子の違いを理解し食べ比べてみてくださいね!